大鯉を釣り上げ得意孫の夏  萬之

去年釣りし鮠懐きたる山羊のごと  萬之

堂々と手の甲に付く縞蚊かな  萬之

郭公の声を真似つつ登園す  真弓

星よりも大山蓮華白くあり  洋子

梅雨寒し独居の彼に電話する  重造

白つつじ白にほんのり緑さす  重造

水張田のキャンバスに空映りけり  かほり

道渡る毛虫にエール贈る朝  かほり

帰省子や蛙膨らむ指の先  圭子

水槽の沢蟹踊る月の夜  圭子