遠き日の麦踏む風の痛かりし  萬之

藁囲いせず青々と月桂樹  重造

鬼やらい福居る家へ急ぎおり  洋子

冬の日や古き実家に踏み入りし  真弓

豆撒きの豆によろめき家に入る  かほり

老幹の洞なす梅や門静か  萬之

雪山や絵本の中に入り込み  圭子

二人して口尖らせて葛湯飲む  洋子

盆梅の香の中へ出勤す  真弓

赤鬼が豆ぶつけられ半泣きに  萬之

初釜やみくじ煎餅大吉なり  かほり

写真はスノードロップ 【撮影:栁橋脳神経外科 総師長】