アスファルトに寝そべる甚平の孫ら   萬之

ゆすら梅雀の口に大きすぎ   萬之

滝壺に水草深く揺れ静か   萬之

充実の日々を願いて月涼し   真弓

青蛙バラのベッドで熟睡す   真弓

郭公や墓碑の母の名撫でてやる   洋子

カラマツ草線香花火のごと開く   洋子

草取りや無為を厭いしわが人生   重造

かっこうが指揮者囀シンフォニー  重造

万緑の浅間に大きな雲の影   かほり

看護師の一つすすめるゆすらうめ   かほり