花びらを敷き詰めて雨激しかり  萬之

いつの間に紛れ込んだか窓の蜂  萬之

たっぷりの朝寝寝起きの大欠伸  萬之

山吹は一重に限ると妻の言う  萬之

如何な茶になるや我が庭茶の芽摘む  萬之

石垣に草木瓜の赤炎上す  萬之

暗き世にピンクムーンの優しかり  真弓

お花見や背中合わせでお弁当  真弓

満開の彼岸桜にめじろたち  真弓

ダム湖まで花吹雪なり風の道  洋子

満月や花に埋もれて家灯り  洋子

巣立つ子に家事の修行やすみれ咲く  かほり

「ひとり暮らしの教科書」渡す春夕焼け  かほり

うららかやポンと音する猫パンチ  圭子

春愁や鳥追う犬に羽は無し  圭子