順待ちしファストフードに木の葉かな 萬之
人無くて凍てる蹲(つくばい)石蕗の花 萬之
純白の山茶花の芯紅させり 萬之
セイシェルのゾウガメも食む真葛かな 萬之
茶の花やF1ならむ風に揺れ 萬之
蕎麦刈りや誰それの顔思いつつ 萬之
しづけさや木の葉時雨が窓を打つ 真弓
しがみつく孫と一夜冬紅葉 真弓
鯉の池縁どりあやめ返り咲く 真弓
濯ぎ終へコーヒーとする小春かな 洋子
朝露へ分け入る如く電車行く 洋子
ジャズを聴きながらブランチ冬日射す かほり
病焼く護摩木の火の粉冬の寺 かほり
すわすわと火鉢の熾の呼吸せり かほり
子の寝顔時巻き戻す夜長かな 圭子
野兎が右往左往す星月夜 圭子写真は雪南天 【撮影:栁橋脳神経外科 総師長】